■ Special Contents Vol.8
ベリンジャーな日々~あこがれのエリザベスは、やっぱりカッコよかった!~

トレーニング第4セグメントのトレーナーはエリザベス・ベリンジャー

FPTP Tokyo2 2年目の第1セグメントが4月20日から5月8日まで、15日間に渡って開催されました。今回のセグメントを指導して下さったトレーナーはエリザベス・ベリンジャーさんです。エリザベスは今回が日本でフェルデンクライスを教える初体験だということですが、世界中で多数のトレーニングを指導し、強烈な個性と確固としたビジョンを持ってコミュニティーをリードしてきた素晴らしい方です。彼女をトレーナーとして迎えることができて、色々な意味で本当に良かったと思います。
FPTP Tokyo2 第2セグメント

   
 

出会ったのは1996年、New York

私がエリザベスに最初に出会ったのは、1996年ですから今から16年前になります。当時FPTP New York2に在籍していた私は、生徒のひとりとして2年目の後半を指導したエリザベスと遭遇しました。もちろん当時は世界のフェルデンクライス業界に関する情報など全く知らず、エリザベスのこともクラスメートからチラッと話は聞いただけで、ほとんど何も情報も期待もない状態での出会いでした。

エリザベス・ベリンジャー長身でスラッとしていて、ほとんどジョークなんか言わない(と思った!)で、ダイレクトにバシバシATMを指導し、トークも明瞭で(考えてみれば当時は英語力があまり無かったのですがそう聞こえた!)、物に動じない、自信に満ちたカッコイイ先生でした。直球派が大好きで、人とのやりとりも変化球ゼロで直球ばかりだった私としてはすっかり夢中になってしまいました。何しろ、どんなATMをやったか覚えているくらいだから(?)すごく好きだったのだと分かります。

彼女は当時、合気道で脚の大けがをした直後で、片脚を引きずって歩いていたのですが、その不自由そうな様子すらかっこ良く見えちゃうくらい(笑)、片脚ひきずるカッコいいトレーナーに憧れた私は、一昨年サンディエゴで14年ぶりに再会した際に、エリザベスが脚を引きずっていないのを見て仰天したくらいでした。(その話は今回初めて彼女に話して爆笑しましたが、、)

今回、15年ぶりで会い、3週間の指導をしていただいたことは、私にとっては自身のプラクティショナーとしての原点を再発見することになりましたが、それと同時に、これから日本でFMを広めていく上で、とても大切な人間の本質的なものへの姿勢を、トレーニング参加者やビジター参加していたプラクティショナーたちに示してくれたと思います。

エリザベスはアメリカのギルドの創設の際にも大きな役割を果たし、その後は仲間と作ったFeldenkrais Resourcesという会社を拠点にフェルデンクライス関連の本やビデオその他の資料、物品の販売や出版、プロフェッショナルトレーニング、アドヴァンストレーニング、各種セミナー等の開催を精力的に進めています。

以前Feldenkrais Resourcesがバークレイにあった頃、エリザベスのアドヴァンストレーニングを受講しようと申込んだのですが、お父様が亡くなったために急遽マーク・リースに講師が変更されたことがありました。おかげで私はマークに会うことができて、「フェルデンクライスの脳と体のエクササイズ」(原題”Relaxercise”)の翻訳出版につながったのですが、エリザベスには会えずにがっかりしたのでした。その後彼女もResourcesもサンディエゴに移り、1昨年12月にダナ・レイさんを訪問した際に、エリザベスに再会することができました。(スペシャルコンテンツvol.3)


トレーニング初日のドキドキ、その後もワクワク

さて、そんなふうにあこがれるエリザベスが来るということなのですから、セグメント前の緊張感と同時に、なんというかミーハー的な気分もあり、準備しながらも「本当に来るのかなあ〜」とか、「すっごい!エリザベスと仕事するんだぁ~!」と周囲に言うようなモードでした。オーガナイザーでアシスタントという立場とは別のところでエキサイトする自分を楽しむことができました。

FPTP Tokyo2さすがに長年世界を飛び回り続けたタフウーマン!セグメント開始の前日に来日して、顔合わせなど一切なしで初日の授業前に初めてホテルの部屋で対面、、、。リラックスした表情でニコニコしているエリザベスを見るのが初めてでもあり、これから先の15日間が心配でプレッシャーもありで、私のほうはかなりドキドキ、、。あこがれのスター(!)が目の前にいるんだということで「舞い上がっちゃいけないぞ!」と自分に言い聞かせながら初日をスタートさせました。

トレーニングのセグメント初日はオーガナイザーの挨拶で始めるわけですが、かなりあがっていて、なんとエリザベスをきちんと紹介するのを忘れてしまい、ATMをやりながら(今回は最初の5日間のみ工藤洋子さんが通訳!)なんて失礼なことをしたのだろうと自責の念にかられ、、。(もう~、舞い上がっているぞ!ヨシ、なんとかしよう!)というわけで休憩後に挨拶をやり直して、思い切り「昔っからエリザベス大好きでそばにいるだけでドキドキ」だと皆の前でしゃべり、生徒たちに笑ってもらってすっきり落ち着きました!


深い水の底まで見えてくるような体験

エリザベスは自分自身の長所について「明瞭さと落ち着き」だと言い、FMの面白いことのひとつは、モシェの指導が年代によって変化しているところだと言います。明瞭でダイレクトだという特徴はエリザベスが本来持っている性質だと思いますが、落ち着きは長年の合気道の経験によって培われた部分もあるように思いました。本当に地に脚がついている感覚があり、呼吸の深さと安定性を強く感じ続け、なかなか到達できない目標(あこがれの存在から変化して!)として彼女を見ていました。

「落ち着き」が目立つように感じられたのは、生徒との質疑応答です。生徒の中に床に座り、生徒の質問やコメントを引き出すような存在感。今回のセグメントは、生徒がたくさん話をするようになったことが発見のひとつでした。エリザベスは意外にジョークを言う人でもありました。良く笑うし、皆を笑わせることもある。ニューヨークの時はきっと脚が痛かったのでジョークが出なかったのでしょう(笑)。

彼女のATMの明晰さと深さは本当に素晴らしいと思います。まるで深い水の底の方までどんどん見えてくるような体験、、、。同じように感じたひとも多かったようですが、私にとっては自分の感性と存在を自分で肯定するエネルギーをもらうような、大事な時間でした。

トークも明晰で、はっきりしていて心地よい。日本人がほとんど決してしないようなダイレクトな言い方をするのですが、言語の違いとも関係あるのだと良く分かります。ATMだって英語のほうがダイレクトで分かりやすいですもの、、、。


あこがれることと学ぶこととの関係は?

FPTP Tokyo2 第2セグメントトレーニングをオーガナイズすることの目的は、自分自身を含めてのフェルデンクライスコミュニティーのレベルアップと拡大です。大変な道のりですが、確実に自分自身も前進していると実感できる時、生徒の学びのプロセスを支える仕事がとても喜ばしいものになります。こんな風に続けて行きたいものです。

第1期のトレーニングが昨年終了した後、2期を開催しながらいくつものアドヴァンストレーニングを開催してきました。今年はトレーニングのセグメント3回の他にアドヴァンストレーニングが4回。そのほとんどの場合ワークショップも企画していて、海外からトレーナーを招く機会が多く、1年のうち3、4ヶ月はトレーナーとの共同作業をしていることになります。

素晴らしい指導をして下さる先生に対しては、誰だってあこがれのような気持ちを感じると思います。私もいつもそうでしたが、最近はかなり自分の考えをはっきり言えるようになってきたと思います。「私がこういう企画をオーガナイズしている理由は、私自身の、そして周囲のプラクティショナーや生徒のための学びのチャンスを作り出すためです。どうぞあなたが持っている経験や力を私たちに分けて下さい!」、というように、、、。そして、惜しみなく、喜んで分けてくれる先生こそが、本当に素晴らしいのだと思います。

エリザベスも素晴らしかった!これからも、彼女から学ぶチャンスをずっと持ち続けたいと願っています。


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エリザベス・ベリンジャー

Elizabeth Beringer

フェルデンクライス・トレーナー/FPTP TOKYO2 教育スタッフ
エリザベス・ベリンジャーは35年以上の間、フェルデンクライス メソッドの実践と発展に寄与してきた最高レベルの教師、トレーナーのひとりである。エリザベスは、米国とイスラエルで1976年から1983年の間、モ シェ・フェルデンクライスの直接の指導を受けた。
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Vol.9もお楽しみに!


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