who's who/フェルデンクライス・プラクティショナーインタビュー/井上 幸子 Sachiko Inoue

who's who
FPTP Tokyo2トレーニーの井上幸子さんに
お話を伺いました。
Sachiko Inoue
井上 幸子
FPTP Tokyo2 卒業

《インタビュー》
フェルデンクライス・ジャパン代表
かさみ康子

フェルデンクライスを実践する
プロフェッショナル

森 由利子

フェルデンクライス
プラクティショナー

佐野 恵子
吉田 圭佑
和貴子(WAKIKO)
井上 幸子

FPTP Tokyo3
グループレッスン
ブログ「フェルデンクライス静岡
‐SACCHI‐」

井上幸子さんは32歳。理学療法士として病院勤務をしながらトレーニングを続ける、スキューバダイビングとサッカー観戦が趣味という、静岡在住の活発な女性です。12月の卒業を前に、フルタイムの仕事から、今後はフェルデンクライスのほうへシフトしていく計画をお持ちです。
(インタビュー:かさみ康子)

space

<理学療法とフェルデンクライス>

かさみ 康子(以下K):理学療法とフェルデンクライスの違いが良く話題にのぼります。メジャーな背景だし、一見似ているが全然違うものですし。井上さんは、理学療法とフェルデンクライスの違いをご自身で日常的に行き来しているわけですが、どのように感じていますか?

井上 幸子(以下I):私の場合、PTとしての勉強をしてきて、特に急性期の病院で勤務するうえでは、患者さんを治すという捉え方をしてやってきました。一方でフェルデンクライスはあくまでも、治療ではなく学習です。はじめ、フェルデンクライスをそのまま自分の仕事に取り入れようとして混乱したこともありました。でも、どちらが良い悪いとかではなく、両者の違いをちゃんと理解できて区別できればよいのではないかと個人的には思っています。理学療法のなかにフェルデンクライスのアイディアを使うというように考えるのがいいのかなと。傾注や気づきのための問いかけとか。そうすることで理学療法の幅も広がるし、患者さんに対してより豊かなアプローチができるのではないかと思います。

<最初のワークショップで肩が楽に>

K:井上さんは、どういうふうにフェルデンクライスに出会ったか、トレーニングに入ったいきさつを話していただけますか?

I:理学療法士として病院で働いて、いろいろな患者さんのリハビリにたずさわっていたのですが、良くなる患者さんも多い中、日々の身体の使い方や姿勢などからくる慢性的な痛みや不調は治すのが難しいとずっと思っていました。それに、私自身も姿勢が悪く、慢性的な肩こりがあり、習慣的なものを変えることの難しさを実感していて、何か解決方法はないかなと思っていました。

そんな時にフェルデンクライスを知り、面白そうだったので肩のワークショップに参加してみたんです。そこでATMをいくつかやったら、穏やかなゆっくりした動きをやっただけなのに、姿勢がガラッと変わって肩もすごく楽になった実感があり、とても面白い良いアプローチだと思いました。その後、PT(理学療法士)向けのワークショップに出たり、静岡で教えているプラクティショナーに習いに行ったり。さほど頻繁ではなく続けていました。

フェルデンクライスの考え方を仕事に取り入れたし、何よりもレッスンは楽しくて、面白い。自分のからだが楽になるのが嬉しかったんです。それと、クラスが終わったあとの教室の「ほっこりしている」雰囲気、空気感が好きでした。それで、フェルデンクライスを同僚や友人に説明しようとしたんですが言葉にするのが難しくて、もっと勉強して深く知りたいと思うようになり、トレーニングに興味を持ち始めた頃、ちょうど2期募集のお知らせを受け取りました。もちろん病院務めですから、お休みをもらう必要があったのですが、幸運なことに上司や仲間が協力的で応援してくれました。有給を使えば大丈夫だからって、快く送り出してくれた。それで参加することができました。

<自分が変わることから始まるプロセス>

K:ほんとにラッキーでしたね。私も病院勤務の理学療法士さんということを聞いたときに、まず、お仕事大丈夫なんですか、って尋ねましたものね。トレーニングは実際にやってみてどうでしたか?

I:とても面白いですし、その人の持っている可能性を引き出すというフェルデンクライスの考え方が好きですね。私は、自分が人をぐいぐい引っ張っていくというよりは、どちらかというと、何かその人自身がよくなっていくようにアシストするとか、方向づけをするとか、そういうサポートをしたいという思いがあったんです。そのままの状態を否定して別のものを押し付けるのでなく、していることを探り、持っているものを尊重する、、、。そういうことが良いものだと分かりました。何しろ3週間のセグメントから帰るとからだの使い方が変わり、仕事の場でも介助が楽になっている。自分自身の可能性を感じられるんです。それで、人が変わっていくのをサポートできると思えるようになりました。体験をとおして確信を持てたということです。

それと、フェルデンクライスのおかげで考えがクリアになり、冷静に自分を見ることができるようになりました。もともと何に対しても緊張しやすい性格なのですが、そんな自分を受け止めて、ちょっと力を減らして動きをゆっくりにしたり、呼吸を意識したりすると言いたいことも言えるようになったり、そんなふうに変わってきたんです。
クラスメートの背景は、ボディワーク、医療関係、主婦など様々で、ディスカッションしていると、それぞれのフェルデンクライスの捉え方が違うので、自分自身にも新たな気づきがあって面白いです。

<身近なところからスタートしたい>

K:病院勤務を3月で辞められたわけですが、今後はフェルデンクライスでやっていこうとされたのですか?

I:病院を辞めるまでは、友人等に頼まれてスチューデントティーチャーとして時々教えるという程度だったのですが、教えることの楽しさや自分自身の学びの面白さを感じて、フェルデンクライスをもっとやっていきたいと思いました。
健康増進とか予防という分野にも興味があり、心身ともに健康で、人生を楽しく送っていくためのお手伝いができたらという思いはPTになる前から自分の中に漠然とありました。そういう思いをつきつめていくと、フェルデンクライスが自分の求めているものに近いと感じ、フリーになってやっていくことにしました。

今後ですが、まずは身近なところからスタートしたいです。静岡ではまだ認知度が低いので、地域の人々に体験してもらいたいなと。高齢者や子育て中のお母さん、日々仕事で頑張っている方など様々な方のニーズに沿えるような、やって良かったと思える教室を作りたいです。ATMだけでなくFIでもそういったことができればと思います。また、PTの視点から、医療関係、スポーツの指導者などにフェルデンクライスというものをアプローチの一つとして、その考え方を生かしてもらえるように紹介していきたいです。

今は呼ばれればどこへでも行くくらいの態勢で、公民館にATMを教えに行ったり、自宅でも教えています。色々な方からレッスンの場を紹介していただいたり、人と人とのつながりを改めて実感しています。いただいた縁を大事に、一つ一つ丁寧にレッスンをしていきたいです。

K:ありがとうございました。これから素晴らしいお仕事をされることを期待しています。

FPTP Tokyo2在籍時インタビュー2014.7.14)


【井上 幸子 Sachiko Inoue】
FPTP Tokyo2卒業。フェルデンクライス・プラクティショナー、理学療法士
■ブログ「フェルデンクライス静岡‐SACCHI‐」

FPTP Tokyo3

go_top