プラクティショナー養成コースProfessional Training Program
数多くの
プラクティショナーを輩出
フェルデンクライス・ジャパンは、国際的養成コースの主催を通じて100名以上のプラクティショナーを輩出しています。
FPTPとは?
FPTPは、「Feldenkrais Professional Training Program」の頭文字をとったもので、
つまり、フェルデンクライスのプロを育てるためのプログラムです。
ATMやFIを通してフェルデンクライス メソッドを体験された方の中には、その効果を強烈に実感し、自分の仕事やスキルに活かしたり、プラクティショナーとして開業を目指される方が大勢いらっしゃいます。動き・感情・感覚・思考が同時に行われる人間の身体を全体的に捉えるフェルデンクライス メソッドは、たとえば、助産師や理学療法士など、体に触れる治療を行なっている方にとって大変有効なものと考えられるため、治療の一環として実践されている方もおられます。
このようにフェルデンクライスを実践する「プラクティショナー」になるためには、まず国際認定機関であるTAB(Training Accreditation Boards)の認証を受ける必要があります。その認証を得るための養成プログラムが、FPTPです。
動く・観察する・
探索する・発見する
FPTPは、4年間・計160日をかけて行われます。プログラムでは、動く・観察する・探索する・発見するというプロセスを繰り返し、感覚を通して行動の選択肢を増やしていきます。これは短期間でできることではありません。単純にスキルや知識を学ぶような教育ではありませんし、習慣的な動きの癖を知る上では間に休み(インターバル)を設けることも重要です。4年間の学びのプロセスは、年度ごとに別個の内容を学ぶものではなく、メソッドの基本理念や方法論の理解、生徒との言語・非言語双方によるコミュニケーションスキルなどさまざまなテーマについて、繰り返しながら徐々に理解を含めていくものです。
フェルデンクライス・ジャパン主催のFPTPを卒業してプラクティショナーとして活躍されている方は、2019年現在で100名を超えています。私たちの養成コースでは、海外からの受講生も積極的に受け入れており、授業は英語と日本語のバイリンガル環境で行われています。そのため質疑応答なども他のコースと比べてはるかに活発で、日本人にとっても刺激的な学習環境になっています。同時に、日本語への通訳に費やされる時間を考慮して授業時間を通常より10%ほど長くするなど、日本人にとっても居心地の良い学習環境を提供しています。
FPTPの流れ
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1年目
ATMとFIの基本を磨きます。
実践と講義や議論を通して、ATMレッスンにおける動き・学習・気づきのプロセスを理解します。自分自身の体験をどのようにメソッドの基本コンセプトの理解とつなげるかがポイントとなります。ATMの基本理論と体験の言語化、FIレッスンの基本的な方法である「探索」のやり方を学び、小グループディスカッションを通して自己表現技術を磨いていきます。セグメント間の休みには、自身の感覚体験についての日誌をつけることが推奨されます。
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2年目
メソッドの指導を行う準備を
開始します。ATMレッスンについてさらに綿密に学習を進めるとともに、他者への指導の練習を開始します。具体的には、運動感覚理論、神経システムの機能的な側面について学習するほか、コミュニケーション、自己イメージ、自己組織化についての学習を進めます。ATMとFIの関係性の探索、さらに複雑な動きの要素についての理解を深め、スケルトンを使用して骨格的な繋がりを学びます。ATMプラクティカム(指導の実践)を行い、2年目終了と同時にスチューデントティーチャーとしてATM指導をする資格が授与されます。
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3年目
FIレッスンを行うための能力を
高めます。さまざまな形でFIレッスンの実践を授業内で行います。サポート、動きの制限、自己組織化の重要性の理解を深め、手を使ってコンタクトすることを通しての探索、生徒の感覚体験のガイド、コミュニケーションの取り方、学びのための環境を作ることの重要性について学びます。授業では、モシェ・フェルデンクライスが行なったFIのビデオや『アレクサンダーヤナイ・レッスン集』など、さまざまな資料を活用してFIレッスンを実践する能力を高めていきます。
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4年目
実践レッスンを経て、
修了すると国際認定されます。FIレッスン・ATMレッスンをプロフェッショナルとして指導するためのさまざまな要素について、さらに学習を深めます。FIについては、レッスン全体を行えるよう、インタビューの方法、テーマや動き、体勢の選び方、機能的にテーマを発展させる方法、観察とコミュニケーション、レッスンの終わらせ方などについて学びます。教育スタッフを相手にFIレッスンを行い、フィードバックやアドバイスを受ける「スーパーヴィジョン」を個別に受ける機会もあります。また、フェルデンクライス メソッドについて一般の人に説明するためのワークショップやレッスンのプレゼン方法についても学びます。最後に、卒業判定の基準となる「FIプラクティカム」(FIレッスン全体を一人で行う、指導の実践)を経て4年間の学習要件をすべて満たすと、晴れてフェルデンクライスプラクティショナーとして国際認定されます。
トレーニングスタッフ
国内外で最高レベルのトレーナーが指導を
担当します。
Introductory Workshop入門ワークショップ
養成コースに興味のある方、フェルデンクライスを体験してみたい方、自分自身への理解を深めたい方、パフォーマーやアスリートなど、ご自分のスキルのレベルを上げたい方などに最適なワークショップを開催しています。経験を問わず、どなたでも参加していただくことができます。コースについてのご質問にもお答えします。
参加している生徒の声
古田泰一(ふるたひろかず)さん
Tokyo4のトレーニングに参加して気付かされた事は、自分の身体について何も知らないなという事でした。日々の演奏活動の中で、何かが上手くいかない時に頑張ろうとするあまり力んでしまったり、ましてやそれに気づいてすらいない自分がいました。
トレーニングの中でのATMやFIによってこんなにも不必要な力みや緊張がある事に気づき、自分自身に注意を向けれる様になり、演奏活動における身体の使い方は大きく変える事が出来たと実感しています。
普段の受けているレッスンでは、ここはこういう風に弾いた方がいいというような「結果」を教えてもらう事は簡単ですが、それにどうやって到達するかという「過程」を教えてもらうのは簡単ではありません。
自分自身に注意を向け結果だけに注意を向けず、過程を大切にする事でより新しい自分に会えたと思っています。
4歳からヴァイオリンを始め、18歳でヴィオラに転向。都立総合芸術高校、東京藝術大学を経て東京藝術大学大学院修士課程を修了。
これまでに東京交響楽団、日本フィルハーモニー交響楽団、新日本フィルハーモニー交響楽団、群馬交響楽団等、千葉交響楽団に客演。またレコーディング等も積極的に行っている。
根岸 千津子(ねぎしちづこ)さん
運動指導をしていた時、知識不足を実感して理学療法士の資格を取得しました。卒業後、整形外科でリハビリ業務に就いていましたが「疾患に対するリハビリだけでは根本的な治療にはならず、そこに至るまでの習慣等の改善、再度同じことにならないように予防する学びが必要」だと考えるようになりました。そんな中、フェルデンクライスメソッドに出会ったのです。ATMレッスンを受け続けていると、身体の構造や運動の知識はあるのに、自分がどのように動いているのか感じていなかったことに気付きました。少しでも自分自身のことを知ると、何かが変わる、どうして変わるのか、変わると何が起こるのかに興味が湧き、トレーニングを受けることを決意しました。トレーニングを始めてみると、今までいかに枠に縛られていたのかに気付かされました。少しずつその枠を外してみると、感覚が変わり、体が変わり、思考が変わってきました。学べば学ぶ程このメソッドの奥深さを知り、もっと学びたい欲求に駆られています。今は卒業に向けFIを学んでいますが、自分自身を知ることで相手の学びをどう手助け出来るのかを考えるようになりました。「治そう」ではなく「どう学ぶか」。このメソッドの学びは尽きません。
商学科卒
スポーツクラブ等で運動指導を行う
理学療法士の資格を取得
整形外科のクリニックでリハビリ業務に従事
現在はフリーになり、フェルデンクライスメソッドを勉強中
太田垣 悠(おおたがきゆう)さん
無駄がなく全ての動きがあるべくしてそこにある動き、隅々まで命が宿っている動き、余裕を感じさせ安心して見ていられる動き... どうしたらそんな動き方ができるダンサーになれるのだろう、と現役時代ずっと模索して きました。
指導をする側になってからは、身体感覚や楽しさを尊重しながらもテクニカルな面を育ん でいくためにはどうしたら良いのだろう?と苦心してきました。
フェルデンクライスを学び始めてから、それらの疑問に答えを見つけ始めているのを実感します。
フェルデンクライスのレッスンでは常に自分の身体/感情/思考にとって、楽で、心地の良い動き方を探していきます。
自分が今何をやっているのか、何を感じているのか、何を考えているのか?と、注意を向けていくと、無数ある選択肢の中から自ずと自分にとって最適だと感じる動き方を見つけていく事ができます。
私にとってはこれは身体で表現するという事と直結しているように思えました。
FPTP では実践やディスカッションをメインにアクティブラーニングの形で授業が進んでいくので、自然な形で学びが蓄積されていきます。
学びというものがこれほどまで楽しい事なのだと知り、私も自分の生徒さん達にもそういう場を作っていくように自然と心掛けるようになりました。
1999年に渡仏。
フランス国立高等音楽学校舞踊科を卒業後、リヨンオペラ座バレエ団や スイスのグラン・テアトル・ドゥ・ジュネーヴに在籍。多様なコンテンポラリーダンス作 品を踊る。2014 年からはフリーランスダンサーとしてヨーロッパや日本で踊る傍ら、講師やワーク ショップファシリテーターとしても活動。2017 年に帰国してからは spac-静岡県舞台芸術 センターにてアウトリーチ事業や人材育成事業などに関わる。その他、各地でコンテンポ ラリーダンス講師を務めるほか、ダンス専門の仏語通訳としても活動。フランス国家ダン ス教師資格保持。
鈴木 裕貴(すずきゆき)さん
私は助産師として日々、授乳期の母親と赤ちゃん、分娩期の産婦さんと関わっています。助産師とフェルデンクライスとの関係性は何なのか、一見何も関係性はなさそうですがフェルデンクライスを学び始めてから、私の助産師としての歩みは大きく変わりました。
先輩助産師の勧めでフェルデンクライスを始めましたが、初めはこの動きが一体どのように仕事に活かせるのかわかりませんでした。わからないながらもセグメントに参加していくうちに、身体の無駄な力が抜けて楽に仕事ができたり、授乳期や分娩期の患者さんの繊細な身体に触れて微細な変化を感じ取れるようになったり、触れ方次第で大きな変化、結果をもたらすことを学び、少しずつ自分の中にも変化を感じるようになっていきました。 さらに、自分だけでなく周囲から見ても、私の立ち姿や座った時の姿勢などに変化がみられたようで、人に指摘されて自分の変化に気が付くこともありました。
また、身体感覚の変化に伴い自分の考え方にも変化がみられました。今までの私は何か新しいことを始める時に、進む先や結果がわからないと始められませんでしたが、わからないからやってみるというように、何事もまずはチャレンジしてみるという考えに変わりました。
まだ養成コースの途中で、ほんの少しフェルデンクライスの世界に脚を踏み入れた程度なのかもしれませんが、これからもっと新しい学びや発見が無限に続いていくような気がして、フェルデンクライスも助産師の仕事を続けていくことも両方が楽しみです。
助産師免許を取得し大学病院の周産期センター勤務を経て、桶谷式乳房管理法研修センターにて手技を学び認定を受ける。
現在は大平助産院、オケタニ母乳育児相談室南浦和にて母乳育児支援を行い、産婦人科クリニックで分娩介助を行っている。
卒業生の声
トラブルに悩んでいる人に接していきたい
佐野 恵子さん プラクティショナー
「フェルデンクライスTokyo」主宰
仕事にしていける自信を感じました
吉田 圭佑さん プラクティショナー
管理栄養士・健康運動指導士
Little Bird主宰
真に健やかで美しい生活を提供していきたい
和貴子(WAKIKO)さん
プラクティショナー
「セラピールーム.jp」主宰
人をサポートできる自信がつきました
井上 幸子さん プラクティショナー
理学療法士、Sacchi 主宰